台湾・標高3,000mを越える合歓山荘前

遠藤やすひろ

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海外自転車旅のススメ

はじめての海外自転車旅 台湾(その1)

 どの自転車旅から紹介しようかなと思いましたが、やはりここは歴史を追って順番にご紹介いたしましょう。。。というわけで、ちょうど今から10年前の「はじめての海外自転車旅」のはじまりです。
 ちなみにこの自転車旅では荷物を減らすべく、持参したカメラは銀塩のGR1sのみでした。あまり写真がないのは、写真のデジタル化ができていないのと、そもそも撮った枚数が少ないからです。。。文字ばかりでごめんなさい<(_ _)>

2005/4/28(木) 1日目

 さて今日からいよいよ台湾自転車旅の始まりです。GWの前とあって成田空港も空いていたので、2時間も前に手続きが全て終わってしまいました。おまけに飛行機の出発が遅れたこともあって、えらい待たされた気がします。乗務員や整備員はあたふたと出発の準備作業を行っていますが、例の事故(注:JR福知山線脱線事故)のこともあり、「焦らなくてもいいから確実に作業してください」というのが正直な気持ちです。。。

 少々遅れましたが無事成田を出発し、慌ただしく機内食を食べているうちに台湾に着きました。ホント近いよね、台湾は。
 到着してまず一番最初に心配したのが自転車です。これまで国内線では何度も運んでいるのですが、近場とはいえ国際線は初めてです。念のため段ボールとかエアクッションで保護して輪行袋につめましたが、やはり扱いが乱雑なのではないかと心配です、、、

 でも結構な大きさのものだから、ベルトコンベアに乗ってくることは無いだろうと思っていると、あちらからなにやら黒くてでかい塊が、、、うそ〜ホントにベルトの上に乗ってきたよ!
 おいおい、大丈夫かい、、、と思い、早速輪行袋を開けて覗いてみましたが、なんとか自転車は大丈夫そうでした。きっちり梱包しておいて良かったよ。(ちなみに国内線は係員が手で持ってきて、ちゃんと手渡ししてくれます。)

 1日目は夕方に中正国際空港に着くこともあって、宿は日本で事前にインターネットで予約しておきました。はじめは空港で自転車組んで自走していこうかとも思いましたが、暗くなってから宿を探すのも知らない土地では大変そうなので、送迎も頼んでしまいました。

 あ〜なんて軟弱。

 それにしてもこの送迎に来てくれたにーちゃん、飛ばす飛ばす。台湾の車は運転が荒いと聞きますが、、、う〜ん。頼むから客乗せて一般道を100km/h越えて走るのはやめてくれ〜と心の中で叫びました(笑)
 というわけであっという間にツォンリー(中+「土」へんに「歴」)という町の
ホテルに到着。ホテルの部屋で自転車組んで問題ないことを確認してから、食事でも
しようかと町に出てみました。しかしもう夜だというのに暑い、、、う〜蒸し暑い〜これじゃあ日本の真夏と同じだよ。
 いきなり明日からの自転車旅が思いやられます。。。 でも暑いおかげで台湾ビールが美味しいんだけどね〜

2005/4/29(金) 2日目

 昨日は移動日だったので、実際に自転車で旅をはじめるのは今日からです。しかし昨日のにーちゃんの運転を考えると、ホントに自転車で走れるのかちょっと不安、、、それでも知らない土地を走るのはいつものことながらワクワクします。そんな不安と期待の入り交じったスタートでした。

 朝8時にホテルを出発!ラッシュと重なりものすごい交通量です。しかも台湾は右側通行で、走り慣れた日本とは逆になります。いきなりの二重苦か、、、と思いきや、しばらくすると意外に走りやすいことに気が付きました。

 というのは、台湾ってものすご〜くバイク(ほとんどスクータですが)が多いので、一番右側にバイク優先レーンというものが存在するのです。レーンにちゃんとバイクのマークと「機車優先」の文字が入って!しかもバイクが2台並んでも悠々走れるくらいの広いレーンです。また優先レーンが無くても、街中だとかなり広い路側帯がある場合も多いです。このようなところをバイクと一緒に走っていれば少なくとも車にあおられることはありません。

 でもバイクと一緒に走るなんて危ないのでは?と思うでしょ。これも走ってみて気が付いたのですが、確かに飛ばしているバイクは多いです。でも逆にかなりゆっくり走っているバイクもいるのです。中には30km/hに満たないような速度で走っているバイクもいます。さすがにこれだけゆっくり走っているバイクは私にとっても(ただし平地限定)じゃまな存在になってしまうので、左側からぶち抜かせて頂きました(笑)
 と言うわけで「機車優先」レーンでも自転車はそれほど危ない存在ではないのです。

 意外な走りやすさを実感しながらいいペースで走り新竹(シンツー)に到着しました。小腹が空いたので、近くにあった普通の食堂に入り「やっぱりパワーを出すにはお米でしょ」ということで炒飯を注文。かなり盛も良くこれで50元(約180円)だから安いものです。日本でもそうですが、ホテルの食事は高すぎ。言葉は通じないけどおじちゃんおばちゃんのやってるこういう食堂のほうが気楽だし落ち着きます。

 さてエネルギーも補給したし、いざ出発、、、しかし暑い。まだ午前中だというのに30度は越えていそう。自転車は水分補給が欠かせないのですが、この調子だと1日3リットルじゃきかないかも。それでもトイレに行くことは少ないから残りは全部汗?

 新竹(シンツー)を出発してしばらく行くと、なんかいや〜な感じが。。。風、強くなってない?しかも向かい風、、、
 自転車で何が嫌かって、それは「風」です。平坦路なのにスピードが出せないというのは精神的にきついです。坂道の登りは確かにきついけど、下りになればそこそこのペースで飛ばせるから、平均速度でみると決して遅くはないのです。でも風は常に抵抗になっているから、、、ホント嫌です。
 海が近づいているからか?しかし結局これ以降、ずっとこの風に悩まされるとは、、、

 風の影響を避けて内陸よりのコースをとればアップダウンの繰り返し。平坦路に来た!と思ったら、見通しの良いところで強風にふきっさらされるし。新竹(シンツー)までのハイペースもたたり、すっかりスローペースに、、、とほほ

 午後の3時を過ぎたところで走行距離も100kmを超えたので「今日はもう走らん!次の町で宿を決まる!」と心に決めました。で、その次の町というのが三義(サンイー)の町。しかし通りを行けども行けども宿らしきものは見あたりません。仕方なく近所のお店で宿があるか聞いてみることに。

 お店のおばちゃんによると、この先を左に折れていくと「西湖なんとか村」というところに宿があるとのこと!「なんとか村」ってなんだかよくわかりませんでしたが「休暇村」みたいなもんかなぁと思い、喜び勇んで向かうと、なにやら雰囲気が、、、
 「なんとか村」は「渡假村」と書いてあってその下の英文を見ると「Resort」の文字が。なんだ?リゾート施設?ってことはバカ高いんじゃないの〜

 後の祭りとはまさにこのこと。ここに来るまで、目一杯下って来ちゃったんだよね、、、今更あの上りが登れるか!!

 というわけであきらめ半分でとりあえずフロントで宿泊代を聞いてみると、なんと4,000元!!! 軽い目眩をもよおしていると、それに気づいたのか平日料金の3,200元でよいと言ってきました。それでも昨日のホテルの倍。。。しかし、今更どうにもならないので泣く泣く泊まることにしました。
 部屋に入ると早速洗濯。高い金払っているんだから、部屋の中の使えるものは、とことん使ってやるぅ!

 それにしても風にやられた1日でした。。。

 明日は頑張って台中経由で埔里(プーリー)まで行こうと思ってたけど、疲れたから台中観光に変更〜!

 いきなり日和ってます。さー屋台屋台!

(走行距離:105km)