三枚組写真 台湾・廬山温泉の市街/廬山温泉遠景、市街を流れるマヘボ/横たわる猪(豚?)

遠藤やすひろ

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海外自転車旅のススメ

はじめての海外自転車旅 台湾(その3)

2005/5/2(月) 5日目

 今日は霧社(ウーショー)まで。余裕があれば廬山温泉(ルーサンウエンチュエン)まで行きたいところです。埔里が標高400mで霧社が1100mなので700mの上りです。さらに廬山温泉まではアップダウンが続きそうです。それでも今日は距離が短いので気持ちは楽です。

 さて霧社までの道ですが最初の10km過ぎくらいまでは緩やかな上りが続きます。徐々に勾配がきつくなり霧社の手前10kmあたりから九十九折で一気に標高を稼いでいきますが、ここ数日は楽しているので足は軽いです。

 自転車に乗っていると糖分がエネルギーに変わっていくのが本当によくわかります。甘い飲み物や食べ物を摂ると足の動きがまるで変わってきます。エネルギーが湧き出てくる感じです。だから補給食は欠かせません。実際、空腹を感じると途端に足が止まります。いわゆるハンガーノックというやつです。
 そんなのプロの世界だけだろうと思うかもしれませんが、脂肪を燃焼させるのに慣れていない一般人の体の方がなりやすいのかもしれません。車でいえばガス欠です。。。そりゃ動かなくなるでしょ?(笑)

 最後の九十九折はちょっときつかったけど、思っていたより早く霧社に着きました。さすがに1000mを越える場所です。風が心地よいです。。。でも、日差しは強烈。
 そういえば台湾に入ってから5日目。まだ一度も雨に降られていません。予報はあまり良くなかったし、実際台北あたりは天気が良くなかったみたいですが、、、う〜ん、晴れ男パワー全開かも(笑)

 霧社。

 ここは今日、いや今回の台湾自転車旅で訪れたかった場所のひとつです。霧社で起きた抗日蜂起事件は台湾史のなかで決して忘れてはいけないことのひとつだと思います。特に日本人は。
 霧社に入って割とすぐの左手にあるのが、抗日蜂起の記念碑です。ここには蜂起した首領モーナルダオのお墓があり、そして一連の事件で犠牲となったセイダッカの人々が奉られています。山門をくぐって、お墓や記念碑を巡ぐっていると、後から台湾人のカップルがやってきました。2人ははしゃぎながら、蜂起する人々の像の前で、同じポーズをして写真を撮っています。ここはお墓でもあるんだけど、、、とも思ったけど、若い人はどこでも同じなのかねぇ。
 親子連れのお父さんは事件の説明をじっと読んでいます。この事件に関しては意外と台湾に人々にも詳細は知られていないと聞きます。台湾の人々にも知ってもらうことはいいことだと思います。私がここにいる間、何台かの観光バスがやってきては一旦スピードを落とすものの、そのまま通り過ぎていってします。う〜ん。

 この抗日蜂起事件に関して私が一番悲しく思うのは大勢の子供たちが犠牲になったことです。経緯を考えれば、事件が発生したのは日本のやり方に問題があったためで、これは非難されるべきことだと思います。大人(特に男性)は乱暴な言い方をしてしまえば自業自得です。
 だけど子供には全く罪は無い、、、これは確かです。日本人もセイダッカも何の罪も無い子供たちが犠牲になったことは本当に悲しいし残念です。何故セイダッカ人々は日本人の子供まで殺したのか?そして何故日本人は報復するかのようにセイダッカの子供達まで殺したのか?

 今日は天気が良いせいか、そんな事件があった場所とは思えないくらい霧社はさわやかな場所でした。人々も明るく働いています。もう75年も前のことなのだから当たり前かもしれませんが、やっぱり私は今日の天気のような気持ちにはなれませんでした。

 霧社の町を少し散策し、軽く空腹を満たしたら廬山温泉へ向けて出発です。廬山温泉への道はもう少し上りがきついのかと思いきや、アップダウンの連続です。っていうか標高下がってる気がするのですが(笑)
 でも廬山温泉は台湾最高所の温泉。先端愛好家とは行っておかないといけないでしょ。またここは昔、マヘボ社と呼ばれたセイダッカの人々が住んでいた村。そんなことも私を廬山温泉へ向かわせた理由のひとつです。

 道から見える風景に平地は全くなく山の斜面にへばりつくように家が建ち畑が広がっています。また1999年の台湾地震の影響もあって、道や斜面が所々崩れています。

 霧社から8kmほど走ると温泉街(まさしく街)が見えてきました。でも、視線からだいぶ下にあるような気がするのですが、、、結局、明日の上り量が増えただけのような(笑)

 さて例によってさっさと宿を決め、今日もお洗濯。片づけがひととおり済んだので、温泉街をぶらぶら散策に出かけました。

台湾 廬山温泉の市街

温泉街です。ここからマヘボ渓に沿って上がっていきました。

台湾 廬山温泉遠景、市街を流れるマヘボ渓が見える

すると川沿いに露天風呂を発見!

 これは入らない手はありません。しかし、タオルもなければ水着(台湾の温泉は水着着用が多いみたい)もありません。その旨、露天風呂の番台?にいたおじさんに身振り手振りで伝えると、「しょうがないなぁ」といった感じで「俺のだけど使っていいよ」とタオルと白黒縞々の水着を貸してくれました。なんて優しいんでしょ〜おじさんありがとう!

台湾 廬山温泉、露天風呂の番台の床で猪(豚?)が横たわっている

何故か番台の下にいた猪?豚?

 やっぱり温泉はいいねぇ。これで水着でなければもっといいのに。あ〜ビール買ってくれば良かった。。。

、、、とダラダラ。いいお湯でした!

 夜になったらものすごい雨が降ってきました。南国のスコールといった感じです。
雨が降るときっていつもこうなんでしょうか?

 明日はいよいよ台湾公路最高所に向けての上りです。上りで雨だとへこむなぁ。それにしても標高差2,200m、、、ふぅ。

(走行距離:40km)