荷物を積み込んでいるブリュッセル行きのTGV(パリ)

遠藤やすひろ

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海外自転車旅のススメ

自転車王国探訪(その1)

 これは2008年のGWにベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)とドイツを巡ったときの旅日記です。

 2007年にスペインのアンダルシア地方を廻って、ヨーロッパの自転車に対する理解の深さに感動しました。またヨーロッパを走りたい!と思ったのが今回の旅のきっかけですね。

 国を選ぶにあたってはいろいろ悩みましたが、ちょうどGW期間中にベルギーで「リエージュ~バストーニュ~リエージュ」という自転車のクラシックレースが開催されたので、その観戦も兼ねてベネルクスとドイツを巡ることにしました。

 ドイツを選んだのは、ずばりワイン。私の最も好きなワインの産地であるモーゼル川を下るコースを入れました。

 ベルギー、オランダといえば、ヨーロッパの中でも自転車王国として知られる国。そこで暮らす人々が、どのように自転車と関わっているのか、この目で見てみたいというのも理由のひとつです。

 それでは「自転車王国探訪」のはじまりです。。。

2008/4/24(木)~4/25(金) 成田~ブリュッセル

 いよいよ今日、ベネルクス&ドイツ自転車旅の出発です。

 が、、、しかし、会社で重要な会議が入り、出勤を余儀なくされたため、会社から直行できるようクルマに荷物を積んで出勤してきました。

 なんとか無事会議を終え「それじゃ、行ってきます!」と会社をあとに。ちょっと早いかな?とも思いましたが、はやる気持ちを押さえきれず成田へGoです。

 案の定、フライト時刻の5時間も前に着いてしまいました。。。

 まだGW前でしかも遅い時刻のフライトということで空港はガラガラ。待っているとフランス人の団体客がちらほら。

 フランス人、、、そう、実は今回も『あの』エールフランスなんです。なんとか回避したかったのですが、やはり安さにはかなわず。。。ま、でも今回はパリで乗り継ぎといってもTGV(フランスの高速鉄道)への乗り継ぎなので、パリで荷物を受け取るからたぶん大丈夫(^^)

 3時間前にチェックインカウンターがオープン。フランス人の団体さんが入り終わるのを待ってカウンターへ。去年、自転車を預け入れるときにお金を取られたので覚悟していると、カウンターのおねえさんが、

「自転車は運動器具ということで150ユーロかかってしまうのですが、、、」

と、仰った。。。え?150ユーロと思い、

「え?値上げしたんですか?去年は80ユーロだったと思うけど。」

と聞くと、

「あ、、、そうですね、そのくらいですね。」

と。。。おいおい、おねえさん、大丈夫?150ユーロってどこからでてきたん???

ま、エールフランスなので何があっても動じなくなってますが。

 で、80ユーロ払って無事チェックインいたしました。本当は、いい加減なことを言っているので、突っぱねてしまおうかとも思ったのですが、なんか素朴ないい感じの方だったので、強く言えませんでした。。。ああ、なんて弱い私。

 そうそう、チェックイン中におもろい外国人女性がいました。セキュリティチェックで引っかかったものを預け入れた荷物に入れたいんだけど、、、って感じでやりとりしていたみたいなのですが(フランス語でやりとりしているので詳細は不明)、その引っかかったものっていうが、なんと「手裏剣」

卍型の手裏剣

こんな感じのすごい立派なやつ。そりゃ、セキュリティチェックに引っかかりますわ。

ねーちゃん、どこでそんなもん買ったの?それ殺傷能力ありますから(^^;)

 今回のフライトは21:55発というわりと遅い時間。この時間帯の飛行機って使うの初めてだけど、気分は大垣夜行(笑)
 というのもパリに着くのが朝の4時。寝ているうちに着く、という程近くはない(13時間かかるからね)けど、なんとなく得した気分です。しかし、こんなに遅い時間なのに出発してしばらくすると食事が出るんですよね。。。もう12時をまわってるんですけど(^^;)

 そんなこんなで、いつもよりちょっと楽な感じでパリに到着!しかし朝の4時はやはりちょっと早すぎか、、、

 あ、荷物はちゃんと出てきましたよ!作戦成功!!

 ブリュッセル行きのTGVは7:44発なので、空いた時間を利用してブリュッセルの予習をば。今回はどこもあんまり予習できてないんですよね。。。文字通り行き当たりばったり。

 さて7時になるとTGVのチェックインが始まりました。なんとこのTGV、飛行機同様、荷物を預け入れられます。荷物の多い私は大助かりです。やるな~フランス!

 これが空港の駅。まだ朝早くてガラーンとしてます。

空港の駅構内、広いフロアに全く人影が見られない。逆アーチ構造の白色の鉄骨がガラス屋根を支えている

 TGVが入線してきました。

プラットホーム内で荷物を積み込んでいるブリュッセル行きのTGV

ちょっと小さいけど、荷物をまとめていれてるのが見えるでしょ?

 TGVの車内はとてもゆったりできていて、座席が左2列+右1列の3列しかありません。ビジネスクラス以上に広い感じです。出発するとすぐに飲み物とスナックのサービスもあってちょっとビックリ。これって普通にTGV乗るのより高いのかなぁ?航空券とまとめて購入したのでよくわからん。

 今日の天気は薄曇り。雨は降らなそうだけど、カラッと晴れるという感じではありません。車窓からフランスの風景をボーッと眺めていましたが、延々と続く穀倉地帯はこの国を農業国だと実感させてくれます。

 1時間少々でブリュッセルに到着。まだちょっと肌寒いです。出口付近で場所を見つけて自転車の組み立て開始です。輪行袋をあけて自転車をざっとチェックすると特に異常はなさそうです。

 組み立てていると早速何人かの人に声をかけられました。

「この自転車新しいの?」(組み上げていたからそう思ったのかな?)
「いえ、去年の同じ時期にこの自転車でスペイン行ってきましたよ。」
「ほ~スペインかぁ」

とか。

 あと、駅構内を掃除していたお兄ちゃんにも声かけられました。クッション材とかゴミが散らかっていたので、

「すみません~」

と言って片付けていると、

「ここに入れていいよ」

とお兄ちゃん。すると

「Can you speak English?」

と聞いてきました。

私「あ、はい。」
兄「どこからきたの?」
私「日本からだよ」
兄「え?それじゃ飛行機に自転車積んできたの?」
私「うん、そう。」
兄「今日が初日?」
私「そう、この週末にリエージュで自転車レース観るんだ。」
兄「え?選手なの?」
私「あ、ちがうちがう。観に来ただけ(笑)」
兄「その後は?」
私「ルクセンブルク、ドイツ、オランダをまわって、アムステルダムから帰るよ」
兄「へぇ~。ベルギーは何回目?」
私「初めて」
兄「え?初めて?」(なのに自転車でくるのか、って思ったみたい。。。)

てな感じで、地元の方とコミュニケーションを取りつつ、自転車を組み上げ、いざ出発です。

 とりあえず中心街に向かおうと思ったけど今ひとつ方向がよくわかりません。それでも建物の雰囲気でこっちかなぁ、と思いながら進むとなんと1発でグランプラスへ到着しました。

グランプラスにあるブリュッセル市庁舎。ゴシック様式の高い塔がそびえている。

 さすが観光地!平日だってのに結構な人出です。写真に写っている建物は市庁舎だったかな?この広場の周りの建物はどれも歴史を感じるものばかり。

 そしてその一角には

高級チョコレートメーカーゴディバ (GODIVA)本店の前。ショーウインドウにグリーンのオーニング(庇)。自転車が停まっている。

GODIVAなんてあったりして。さすがベルギーだぁ

 そしてこれが、あの有名な「小便小僧」!

  小便小僧の像。黄色の三角帽子と赤い布が巻かれている。

 そしてこれが、「小便小娘」

小便少女像。両脇に鉢植え、赤く塗られた鉄格子に囲われている。

なんとも微妙。。。(^^;)

 ちょっと小腹が空いたので、ベルギーといえばワッフルだろ~ということで、本場ものを食べてみました。ブリュッセルワッフルとリエージュワッフルってのがあったので、ブリュッセルの方を注文してみました。トッピングは適当に。見た目はかなりボリュームあるのですが(すみません、すぐに食べ始めてしまい、写真を撮り忘れました)サクサクと軽い食感でペロッといけてしまいます。もちろん美味しかったですよん。

   その後もしばらく市内をまわっていたのですが、本格的にお腹が空いてきたので、宿にチェックインして身軽な格好で「くいだおれ横町」へGoです。

 「くいだおれ横町」とはイロ・サクレ地区付近のことで、狭い通りにところ狭しとレストランが並んでいます。その中のひとつに入って、ムール貝、フリット、ビールのセットを注文しました。

白いボウルの中にムール貝のソテー、金属の小鉢にフライドポテト、グラスにビール、かごにパン、金属のボウル、塩・コショウ瓶

 ガイドブックには少なめのムール貝と書いてありましたが、、、いや、これで十分ですから。むしろ十分じゃないのはビールの方なので、追加でオーダしました(^^;)

 あ~昼間から飲んだくれられる幸せ。。。

 ビール飲みながら、地図を広げて明日のコース(リエージュまで)を検討したり、まったり過ごしました。

 さすがに早朝から活動&ビールを飲みすぎで、眠くなってきたので、近所のスーパーマーケットで補給食を購入して宿へ戻りました。ちなみに補給食はもちろんワッフルです。

チョコレートのかかったワッフル菓子「Gaufres vanille」「Vanillewafels」「Vanillewaffeln」の文字、8枚入りのパッケージ

 パッケージ見ると、フランス語、オランダ語、英語の3カ国語で表記されてますね。

 夕食はどうしようかなぁと思ったけど、一寝入りして起きても、お腹が減っていない~
ちょいとお疲れ気味っぽいので早めに寝ることとします。

(走行距離:10km)