おしえて!梵先生ロゴ

4 20

【中医学】
夏の養生 「梅雨時期の乗り切り方」「湿邪」

あつきあつき「先生、こんにちは!明日から小満(二十四節気)ですね。ここ数日、関東では暑い日が続いていて、梅雨前に具合が悪くなりそうです」

梵梵「こんにちは。いよいよ梅雨が近くなってきましたね。身も心も重たくなりがちな季節ですが、こういう時こそ養生が大切になります。その前にジメジメする季節の特徴を掴んでおくことにしましょう」

あつき「はい!」

梵「ジメジメする時期は、空気中に湿気が増えるのと同様に体内でも水分が滞留することが増えます。そして、その滞留した水分が、私たちの消化能力を格段にダウンさせます。この時期は浮腫(むくみ)が問題になりますね」

あつき「湿気で嫌な気分になるだけではなく、体内でも影響があるんですね」

梵「そうですね、中医学では天人合一と言って、自然界に起きることは人間にも起きてくるという考え方があって、外がジメジメしていれば体内もジメジメする、そんな見方になるのです」

あつき「暑いと喉が渇くけれど、浮腫んだ時は、水分を摂らない方が良いのか悩みます」

梵「そうですね。浮腫みは、水分が溜まって浮腫んでいるというより、内臓、特に脾胃の働きが悪くなることで、全身の水液の巡りが悪くなっている状態なんです。まずは体の中の水分を巡らせるために、水分を動かすことが重要です。単純に水分を飲まないで過ごせば良いわけではないんですね。晴れるなど温度が上がる時期、水分を控えてしまえば脱水症状を起こしかねません。そこで今回は、邪気になってしまった湿を取り、脾胃を健康に保つための食養生、お教えしますね」

あつき「よろしくお願いします」

梵「食べ物の中には、水分を出しやすくするものがあることは、ご存知かと思います」

あつき「代表的なものは、コーヒーでしょうか」

梵「そうですね、それ以外にとうもろこし、ハトムギが体にあまり負担をかけず緩やかに水分を出す食材になります。また、暑い時にはトマトやきゅうりなど夏が旬の野菜が体を冷やす助けになってくれます。これらの食材は水分が豊富であることも特徴です」

あつき「旬の食材は、その時期の身体に良いものを与えてくれるということですね!確か、『秋茄子は嫁に食わすな』ということわざを聞いたことがありますが、茄子も夏の野菜ですよね?」

梵「その通りです。茄子も体を冷やす食材であるため、秋になってたくさん食べると必要以上に体が冷えて、これから元気な子供を産んで欲しい嫁のためにならない、という意味で使われています。意地悪な意味ではないんですよ(笑)」

あつき「美味しい物は嫁に食べさせるなと言う意味かと思っちゃいました(笑)。水分の多いものを食べながら、水分を出していくなんて面白いですね」

梵「この世界の法則は陰陽五行ですから、血にしろ気にしろ巡ってナンボ。水分の多いものを食べながら、水分を出していくのは、なんだか無駄にも思えるかもしれませんが、巡らせるためには良いバランスということになります。また、暑いとついシャワーだけで済ませることも増えてくるかと思いますが、二日に一度は風呂桶で体をきちんと温めることが大切です」

あつき「暑いと億劫になっちゃうんですよね・・・ お風呂」

梵「そうですね。でもこれは、汗で水分を出すのが目的ではなくて、溜まった水分を動かして尿にするのが目的なので、汗がだくだくになるまで入る必要は無いんですよ。軽く汗ばむくらい入って、常温で水分補給をしっかりすることが大事です」

あつき「お風呂の利用目的にも、体を温めるだけではなくて、色々あるんですね」

梵「あと、別の観点から言うと、梅雨時期はジメジメジクジクした病気が発生しやすくなります。水虫なんか代表的ですが、水疱を伴う帯状疱疹や水っぽい湿疹などが出やすい上に治りづらい、長引きやすいという状況になるのです」

あつき「清潔にするのが大事ってことですか?」

梵「清潔にすることも勿論大事ですが、体内のどこかで、水分が滞らないようにすることが一層大事、ということです。なので、これもまた体内の水分の巡りを良くしていけば、溜まった水分が病気の元になるという状況を避けることができるので、前述のような方法を活用していただくのが良いわけですね」

あつき「ちなみに、体質別の浮腫を治す方法などあるんでしょうか」

梵「あります。先ほど挙げた食材は、体力のない人向けと言えます。誰が使っても、夏という季節の間であれば大丈夫なものですね。一方、体力がある人の場合、もっと一気に水分を出したい時にはスイカや冬瓜の皮を煮出してお茶にする手があります。ただ、こちらの方法は体がとても冷えることがあり、また湿邪とは関係ない別の体質が絡んでいる場合は不適切なこともあるので、一概にお勧めはしづらいところです」

あつき「強力な方法なんですね!では、その人にあった個別相談を梵先生の「対面鑑定・対面相談」でお願いすることは可能ですか?占い、とは違ってしまうかと思いますが・・・」

梵「はい、一般のお医者さんみたいな診療ではないので、即効性重視ではありませんが、根本的な体質改善を視野に、お話をうかがいながら対策を練ることができますよ」

あつき「それは嬉しいです!私も是非相談させていただきます。今日もありがとうございました」

まとめ

夏は、五行の「火」、五臓の「心」に影響が出やすく
ジメジメしている時は五行の「土」、五臓の「脾」に影響が出る。
テンションが上ったり下がったりしやすい時期。
喜び過ぎない、思い悩みすぎない。