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【九星気学】九星の『星』は、どんな星?

あつきあつき「梵先生!」

梵梵「おや、珍しくというと失礼ですが元気ですね。良いことでもありましたか?」

あつき「少しだけ涼しくなったんで、テンションが上がりました!(笑) ついでに、ちょっと思いついたことがあるんです。以前、宿曜の曜は何の曜?という話がありましたが、それでは九星気学の星は何の星?と思って。星にもたくさんあるじゃないですか、そこが気になりました」

梵「なるほど、夏休みの自由研究・第二弾っぽくていいですね。それではお話していきますね」

あつき「よろしくお願いします!」

梵「まず、九星気学の成り立ちを簡単に言っておくと、陰陽五行思想に基づく5つの方角、東西南北プラス中央に、それだけじゃ大雑把すぎるからと東北、西北、東南、西南の4つを足して9つになった、というところが原点です。陰陽五行思想の大元は「世界は気でできている」なので、方角が9種類あることは、「気」が9種類あるのと同じだと考えられるのです」

あつき「方角は、東西南北だけかと思っていましたが、中央というのも入るのですね」

梵「更に、方角だけでなく時間にも「気」の種類があると考えるので、私たちが生まれた年月日によって、私たちの体内にも9種類の気があると考えられ、それが普段の会話に出てくるような一白水星の生まれだ、二黒土星の巡りだ、という話につながっていきます。細かく言えば、年と月と日が持っている気は、それぞれに別なので、一人の中に3種類の気が存在していても、ごく普通なんです」

あつき「せ、先生。さっきから聞いていると、気の話がたくさん出てきて、星の話が一つも出てこないですね。確かに気学と名前はついていますが、星は一体どこから絡んでくるのでしょう」

梵「さすが、よいところに気づきましたね。仰る通り、気学は「気」の学問です。しかも、実際は、一つも星と関係がありません」

あつき「えー!!そうなんですか?!私は二黒土星なので、きっと土星と関係があるに違いないって信じて生きてきたのに(笑)」

梵「実は、星という字は当て字なんです。そうした方が一般に浸透しやすいだろうと、近代日本で九星気学が成立した辺りで、そういう名前になりました。本当の字は「精」なんですよ。九星気学は「九精気学」。精気とは、人間の心身を構成している気の名称です」

あつき「人間の心身を構成・・・本当に全然、星とは関係ないですね(笑)」

梵「そうなんですよ。大体、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星と並べるとわかるように、星に関係があるとすると、同じ星がありすぎですよね」

あつき「言われてみれば、そうですね。土星なんか3つもあります」

梵「これも、五行思想にのっとった木火土金水の要素に照らし合わせると、しっくりきます。二黒土星は、土星と関係があるのではなく「土」の気と関係が深いということです。しかも、土星が3つもあるということは、土の性質としては3種類に分かれているということでもあります」

あつき「へー、なるほど!それじゃ二黒土星、五黄土星、八白土星は、それぞれに土と関係があるのに、性質は違うってことなんですね」

梵「二黒土星の土は、田畑の土です。五黄土星は砂漠の土、八白土星は山の土。なので、性格もそれに準じて表れてくることになるんです。同じように、同じ木星でも三碧は草原、四緑は森林のエネルギーなので、似ている部分もなくはないけれど、根本的に違うところも出てくる。六白金星と七赤金星なんかは、金属・刀のイメージと、宝石・鉱物のイメージなので、似ているのは頑固なところだけ、みたいな感じになります」

梵「一つずつしかないのが、一白水星と九紫火星です。水は水、火は火、というシンプルさが示すように、双方シンプルなだけに変わっている性格が多いのも事実です」

あつき「変わってるって先生、一白水星じゃなかったでしたっけ(笑)」

梵「よく覚えてますねぇ(笑) 水と火は、対になる、仲間になる相手がいない分、単独での行動も苦にならない利点がありますが、組織仕事に向かないという欠点にもなります。逆に土の性質の人は、集まって何かする方が安心感を得られます。何せ仲間が3種類もいるので、自分ひとりだと、そこはかとない不安に襲われたりするんですよね。木と金の人は、2種類ずつなので、単独行動もしますが誰かともご一緒したいところもあって、実はわがままにつながりやすいところもあるわけです」

あつき「星と関係がなくても、詳しく出てくるものですね」

梵「ここだけの話ですが、星とまったく関係がないはずなのに、『星』ごとの性格を『西洋占星術』のそれと見比べて見ると、なぜか不思議な一致をみせるところもあるのです」

あつき「紛らわしいですねー」

梵「『星』とは関係ない、という前提をきっちり説明した上で、『西洋占星術』が好きな方に『九星気学』を説明する場合には、面白いネタだったりします。例えば、土星が入っている九星は、他の九星よりも試練めいた状況に陥りやすい傾向があります。運気としては同じように巡っているのに、その受け取り方が「大変だ」「試練だ」になりやすい、ということでもありますが、それはまさに「試練の星・土星」に影響を受けているかのような感覚と似ています」

梵「惑星の方の金星は、美と愛、そして物質的な豊かさと関連があると言われますが、実際に九星で金星に当たっている人も「金」が実りを表すこともあって、物質的な豊かさに恵まれ、豊かだから若々しくいられる、ひもじくないから愛や美にも目が行く、といった流れとリンクしていたりします」

梵「同じように木星の人たちも、「木」の性質のおかげで伸びやかに健やかに成長していけるだけ、そのはずなのに、惑星の方の木星の守護を受けているかのように大望を抱き、多数の人間を相手に、あるいは多数と一緒に成長していきたいと願う傾向が強いんです」

梵「水星の入っている人は、水の要素があるから水商売向きなのですが、水商売ができる人は大抵、話上手な傾向があって、その言葉の扱いが上手なところは惑星の水星も持ってる特質だよね?みたいな感じ。同様に、火星の入っている人は、火の要素が意地っ張りで負けず嫌いな部分につながるのですが、そういう「かかってくるなら相手しちゃうよ?」という要素は、惑星の火星が持っている戦い好きなところと似てるよね、という」

あつき「うわぁ、本当に不思議ですね。そうやって説明していただくと、また別の面から見られて面白いです」

梵「あくまでも関係ないはずなのに、どこかで何かがつながってる。世の中そのものみたいな感じで面白いですよね。そして、不思議に一致の『星』よりも、もっともっとつながりを感じておかなくてはいけないのが、私たちの『身体』と『天候気候』のつながりです。多少涼しくなったとは言え、油断は禁物。前回お話しした食養生、続けておいてくださいね」

あつき「あぁ、暑さを忘れていたのに・・・(笑) でも、そうですね。世界はぶつ切りじゃなくて、つながっている。忘れないでおきます」

まとめ

  • 九星気学は「星」とは関係なく、人間を構成する「精気」が基本
  • 陰陽の考え方を基盤に、五行9種類の性質で分類されている