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【中医学】秋の養生

あつきあつき「はーっくしょん!」

梵梵「あらら、大丈夫ですか?」

あつき「はい、特に具合が悪いわけではないのですが、なんだか鼻がムズムズすることが増えたみたいで」

梵「それは季節の影響かもしれませんね」

あつき「そうなんですか?朝晩は多少マシな感じもしますが、未だに日中はかなり暑いし、秋の実感はまだあまりないですが」

梵「暦の上では8月7日に立秋を迎えています。それが現実に降りるまで2週間から1ヶ月が通例です。今年はかなり早く季節が進行しているので、それを考えれば余計に今の時期、日本の「気」はスッカリ秋です」

あつき「あ、ほんとだ!そうなると、この時期に気をつけたいことはなんですか?」

梵「まず気をつけたいのが『乾燥』です。秋と言えば、とにかく世界も私たちの体も乾燥していきます。暑くなくなってくると「水分をとらなくては」という意識も薄れて摂取量が減りがち。知らない間に一層、体全体がカサカサしやすくなり、喉鼻もムズムズしやすくなるのです」

あつき「カサカサと言えば、これからの時期は、お肌も心配になりますね」

梵「ですよね。でも、肌トラブルも、外側からの乾燥だけで起きるわけではないんですよ。なので、この時期、乾燥するから化粧水をつけて対処するだけで大丈夫、と思うのは危険なんです。先ほど言ったように体内から乾燥してくる時期なので、体内からも潤さないと肌の調子も戻りづらいですし、体調を崩して感冒にかかる確率が格段に上がります」

あつき「秋になると風邪をひく人、増えますもんね。体内からも潤すには、水分をたくさんとれば大丈夫なんですか?」

梵「これもまた、外から水を入れるだけでは足りないんですよ。この時期に出てくる旬の果物あるじゃないですか。特に、梨。もう少し涼しくなってきたら、桃もいいです。そういうのを日々定期的に食べていくことで、効果が上がります」

あつき「なるほど、水分たっぷりの果物を食べるってことですね」

梵「半分正解で、半分ちょっと違います。というのも、これらの食材は、体の中に入ると必要な水分を生み出す効果を持っているのです。中医学的には、その「必要な水分を生み出す効果」を重視して食べることになるわけです。とはいえ、食材そのものに含まれている水分だって、もちろん有用です。というわけで、正否半々ってことになるんですね」

あつき「体の中で必要な水分を生み出す効果、なんてあるんですね」

梵「水分は、ただ入れるだけでは溜まってむくんでパツンパツン、なんていう展開もよくあるんです。そこで、水分を巡らせなくてはいけなくなるわけですが、水分を巡らせる方法として、溜まった水分であれば動かして排出するのが一つ、体内で水分を捻出するのが一つ、あるわけなんです」

梵「中医学的に言えば、人間の体も陰陽のセットでできあがっており、『陽』にあたるのが『精神・メンタル』といった『機動力』。そして『陰』が水分やタンパク質といった肉体を構成する要素である『物体』です。つまり人間の体は機動力と物体が組み合わさって生きているわけですが、乾燥する、というのは『機動力』と『物体』で言えば、物体の方が不足して起きるトラブルなので、これを作り出すシステムが体内にあるのは、中医学的な理屈で言えば当たり前のことだったりするんですね」

あつき「はー、人間の体ってすごいですね。では、梨と桃は冷蔵庫に常備する感じで頑張ってみますが、他にも何か気をつけておいた方が良いことはありますか?」

梵「その日その日で様相が変わり、夏らしさの残る日とガッチリ秋の気配が漂う日とが交互にやってきますよね。内側から潤そうと気をつけていても、温度差が原因で免疫力が落ちやすく、外邪、つまり強い乾燥の気だとか、雑菌・ウイルスだとかが入りやすくなります。それに対して、うがいと手洗いは、物理的な対応策としてシンプル・イズ・ベスト。ただ、普段のうがいには、うがい薬は使わない方がいいです」

あつき「あれ、そうなんですか?一層、喉をきれいにできる気がしますけど」

梵「殺菌薬で全ての菌を殺してしまうということは、常在菌、つまり普段私たちの体を守る役割の菌まで殺してしまうことです。敵も味方も一掃する強力な対応は、時々でいいんですよ。抗生物質も同じことです。もう敵軍が多くて多くて、最終兵器を使わないと元の状態になんか戻りっこない!という状況での使用は正しいです。でも、ちょっと調子が悪い程度の段階で多用すると、体を守る菌が居ない状態も長くなるので、体内環境が悪くなる時は一気にグンと悪くなってしまうんです」

梵「更に抗生物質の場合は、その抗生物質がへっちゃらになってしまう「耐性菌」が生まれやすくなります。医師の処方に従い、定められた期間は必ず飲み続けること、期間が終わったら次に飲むまでは極力間を空けること、が大切です」

あつき「わ、そうなんですね。正直、結構ゆるい感じで考えていました」

梵「ですよね。認識も新たに、秋を堪能する準備、整えていきましょう」

まとめ

  • 秋は「乾燥」が大敵
  • 潤すためには、水分をとるだけでなく、梨・桃など食材でのケアも必要
  • 外敵に対抗するため、うがい薬を使わないうがいと手洗いは必須