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【中医学】食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋?

あつきあつき「参っちゃったなー」

梵梵「追い込まれてるんですか?あつきさん」

あつき「そうなんですよ。秋といえば、いろいろなことができるって昔から言われていますけど、その時期になると大体いつもバタバタで、とてもスポーツや読書にまで手が回らなくて」

梵「食欲の秋については、有言実行できていそうな気配はありますね(笑)冗談はさておき、いいんですよ、それで。だって、一人が持ち合わせている時間は1日に24時間しかない上に、通常業務にプラスしてスポーツと読書をやろうとしたら、できるはずはないんです」

あつき「言われてみれば、そうですよね。なんとなく罪悪感を抱えていたのですが、その必要はなさそうですね」

梵「罪悪感を持つくらいなら、週に2度ほど仕事や業務を早あがりしたり、逆に早起きして、業務開始前に運動したり、軽く本に目を通す時間を作ったりする方が建設的、と言えますね。ただ、言うは易し行うは難しの言葉通り、思っていてもできないことは、たくさんあると思います」

あつき「仰る通りです。実は毎年のように、今年の秋はああしよう、こうしようと予定だけは立てるんですけど、なかなかできなくて」

梵「目標や目的があるのは素敵なことですが、それが叶わないことで悲観的になるのであれば、一旦その目標や目的は脇に置いて、楽しくやっていただいた方が、実は体にもいいんです。何故なら、悲しいという気持ちが人間の体に作用し続けると、風邪を引きやすくなるからです」

あつき「えー!悲しいと風邪を引きやすくなるんですか?」

梵「そうなんです。中医学的に見ると、悲しいという感情は免疫力を下げてしまう働きがあるのです。たまに悲しくて涙が出ちゃうくらいのことであれば、ストレス発散の一環として機能することもあって問題はないのですが、何につけてもクヨクヨ、何かある度にイジイジ、なんてやっていると、体調に響いてきます。もちろん、外に出さないようにしていても、心の中に溜まっていけば同じことです」

あつき「免疫力にまで影響するとは、恐ろしいですね。私の場合は、そこまで悲しくなることはまずないので、大丈夫かも」

梵「と、油断してしまうのも危険です。あつきさん、少し猫背ですよね」

あつき「そうですね、力を抜くと、ついつい丸まってしまって」

梵「実は感情的にはセーフでも、猫背は免疫力減退に一役買ってしまうことがあります。というのも、猫背の場合、肩が前方に落ちてきてしまいますよね。物理的に、胸を圧迫してしまうことになります。胸中にある「肺」、これが免疫力の要になっているので、感情的に圧迫しなくても、物理的に圧迫したら同じことになっちゃうんですよね」

あつき「えー!!更に驚きです。猫背が免疫力に影響するなんて」

梵「座る時の姿勢が悪いと、骨盤が立たなくなって腹筋が落ち、その結果お腹周りに肉がついていってしまう、なんていう流れもあります。猫背になると大抵、骨盤も倒れてしまうので、上半身では免疫力低下を、下半身では脂肪増加を引き起こすんですよ」

あつき「ぐうの音も出ません(笑)」

梵「逆に言えば、背筋を伸ばす努力だけ採用すれば、秋口に風邪をひきづらくなり、冬場に向けて溜まりがちな脂肪を多少なりとも寄せ付けないでいることができるんです」

梵「スポーツの秋にだけ、本格的な運動を始めようとすると、簡単に頓挫しやすくなりますよね。一日数回、必ず肩を開いて胸を張って深呼吸する時間を作る、座っている時も丸まりがちな腰あたりを伸ばして骨盤を立たせる意識をする、それだけでインナーマッスルが刺激されるので、やらないより断然、体のためになります」

梵「もちろん、ラジオ体操の一回、1時間程度の散歩など、気が向いた時に、別のことをちょこちょこ挟んでいただければ、ストレスなく血の流れがよくなって更に体は喜びます」

あつき「なるほど、必ず毎日同じ運動をやろう、なんて決めない方が、続く可能性が高いってことですね」

梵「同じことは、余程好きでない限り、飽きちゃいますからね。飽きて辛い、悲しいとなれば、最初にお話した通り、それがまた免疫力を下げる元になる悪いループに入っちゃいますから」

あつき「あ、そうでしたね。明るく楽しい秋を満喫できるように、予定や計画を見直してみます」

まとめ

  • 悲しいと免疫力は低下する
  • 肺が圧迫されても免疫力は低下する
  • 胸を開いて楽しく過ごすのが感冒を避けるコツ